絶頂は今

最高の人生にしよう 僕らならやれるはず

カラフト伯父さん 感想

5月9日マチネ行ってきました!
良いご縁があって譲っていただけまして、行動は起こしてみるものだなぁとつくづく思っています(笑)

以下感想です。ネタバレあります。




開始5分が命だ、というのは高校のコーチによく言われていた事だけど(演劇部でした)ここで上手く惹きつけられると、素敵な舞台になるぞ・・・・・!!って思うわけです。
カラフト伯父さんのはじまり方、とても好きでした。徹くんの静かな日常生活がカラフト伯父さんの登場によって変わっていくんだなぁ、という、これからの2時間弱舞台で起こることに期待出来るはじまり方で!
ひとつめの台詞はカラフト伯父さんの「よう!」だったと思うんですが(違ったら恥ずかしすぎる。埋まる)やっぱり升さんすげーーー!!!升さんの演技観れるだけチケ代払ったのよかった!!となった。単純。それぐらい引き込まれた。わくわくが止まらなかった。
 


カラフト伯父さんは、徹くんの本当のお父さん。しかし徹くんが子供の時に離婚したため「カラフト伯父さん」として東京から神戸に会いに行っていました。
母親が死んだときに「お母さんはほんとうのさいわいを探しに行ったのであって死んだのではない」「カラフト伯父さんは徹が辛いときにいつでもくるよ」って言われるわけです。でも震災で辛い目にあったり、祖父母を無くした時も来てくれなかった。しばらくして父親の葬式にやってきたと思ったら20歳だからって大人扱いされた。ヒーローである「カラフト伯父さん」に突き放されてしまい、徹くんは心を閉ざします。


カラフト伯父さんだと思った人が本当の父親だったから、徹くんは辛くて寂しくて悲しいときに泣きながら叫びながら頼ったわけではない、と私は思います。
カラフト伯父さんは徹くんにとっては間違いなくヒーローだったのに。頭では普通の人間だとか、東京で忙しくしてたとわかっていたとしても、母親が死んだときの言葉は幼い徹くんにとっては唯一の救い、希望だったんでしょう。
自分が生き延びたことへの罪悪感や震災の恐怖など混沌とした感情をひとりで背負って押しつぶされそうになっている青年がグローブ座の舞台上にいました。

軽トラの上での長台詞。


押しつぶされそうなぐっちゃぐちゃの感情を吐き出す徹くんが圧巻だった。
贔屓目じゃない、と思います(笑)
壮絶な体験に感情移入して長台詞の間に何度も涙を流してしまった。とても儚くて危ういんだけど、自殺未遂何回もしただろって思ったんだけど、どこかに青年の力強さがあって、伊野尾くんのルックスもとても美しかったけれど、「徹」の内面を美しいなと感じるシーンでした。


カラフト伯父さんと和解した後、ラストシーン。結局ふたりは東京に帰ることになるんですが、徹くんの心の開きっぷりがすごい。振り幅すごい。やっぱり徹くんにとってはカラフト伯父さんはお父さんではなくヒーローだからでしょう。


親子の再生の物語ではなく、徹の心の成長の物語だなと感じました。



前半は台詞短いし怒ってるのばっかだし抑揚一緒だし、このあとどうなるの~やっぱり松永さんも升さんもすごいなぁ~と思っていたけど、伊野尾くん負けてなかった!最後は圧倒的だった!


ストリートプレイでぐんぐん成長して、どんどん演技のお仕事見たいな!未来が楽しみな舞台になりました。観に行けてよかったです。


演出も好きな感じのばかりだったけど1回見ただけだから記憶が薄れてきててうまく文章に書けないのでTwitterでぼちぼちつぶやきます。




カンパネルラー!!って笑顔で叫んでたのが1番来た・・・・叫びたくなった・・・・深海のカンパネルラを伊野尾くん主演でやろうよ・・・って思いましたまる